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「江戸川区の漁」を学ぶ 郷土資料室で企画展、漁業権放棄の歴史も

文化財調査員(学芸員)の森田聖子さん

文化財調査員(学芸員)の森田聖子さん

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 江戸川区郷土資料室(江戸川区松島1 グリーンパレス3階)で現在、企画展「江戸川区の漁-海と川と魚と貝と-」が開催されている。

漁業権放棄の前に作られた歎願書

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 2017(平成29)年に開催された「むかし、葛西の海で:高下駄と又棒の<のりのりのり>の日々」では、主にノリの産業について紹介したが、今回は魚・貝について詳しく紹介している。

 江戸川区は、東京湾、江戸川、荒川・中川・新川をはじめ大小の河川に囲まれており、古来、水産業が盛んだった。特に、葛西浦と呼ばれる江戸川区南部地域は有数の漁業従事者数・生産高を誇っていた。

 1962(昭和37)年12月、東京都は人口の増加に対応するため、東京湾埋め立て計画を進め、区内の漁業者は東京湾における漁業権を放棄した。今回の展示では、当時の歎願書や補償に関する資料を複数展示している。 

 展示スペースは第1章~第3章に分かれ、ウナギや貝類を捕るために使われたさまざまな道具を見ることができる。解説・ワークシートも用意し、全問解いた人には手作りのしおりを渡している。来室者からは「展示された道具が懐かしい。昔はよく新中川でも使われていた」と懐かしむ声が聞かれた。

 江戸川区教育委員会教育推進課文化財調査員(学芸員)の森田聖子さんは「江戸川区は身近に海や川があり、古くから自然の恵みを享受してきた地域。魚や貝をとって暮らしてきた歴史や、漁業権の放棄についても知っていただけたら」と話す。

 開室時間は9時~17時。入室無料。3月10日まで。担当学芸員によるギャラリートークは2月24日、3月10日の14時~14時20分に予定。いずれも当日受け付ける。

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