盆栽作家・小林國雄さんが経営する「春花園BONSAI美術館」(江戸川区新堀1)で1月4日~9日、「新春盆栽展」が開催された。
同館は2002年4月3日にオープン。新春盆栽展は開館以前から継承されている新年の特別展。今年も小林さんの作品をはじめ、愛好家の作品を合わせて約50点が展示された。
1日約200人の外国人観光客が訪問し、海外からの注目も高い。敷地内の総作品数は1000点を超え、1,000万円~1億円の値がつくものもある。展示会場でもある数寄屋建築様式の建物には、盆栽の魅力を最大限に引き出すため、15の床の間や複数の茶室を設けている。
期間中に展示した小林さんの作品は「雲流」。樹種は真柏(しんぱく)というヒノキ科の常緑低木で、推定樹齢は800年。幹の白骨化した部分は舎利、茶色の木の皮の部分は水吸いと呼ばれる。生と死が一体となった世界観を映し出す作品の価格は1億円。
小林さんは「盆栽を盆栽道として昇華させ、日本の伝統文化として世界に継承していきたい。『人を知らずして道は拓(ひら)けず』を信条に、後継者の育成にも力を入れている」と話す。