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逆境を生き延びたACEサバイバー支援を行う「Onara」 小岩で報告会

「KOITTE TERACE」で開かれた報告会の様子。右から二番目、同法人代表の丘咲つぐみさん。

「KOITTE TERACE」で開かれた報告会の様子。右から二番目、同法人代表の丘咲つぐみさん。

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 江戸川区を拠点に児童虐待や家庭内暴力などの逆境を生き延びた「ACEサバイバー」の支援に取り組む一般社団法人「Onara」が10月12日、「KOITTO TERRACE(コイットテラス)」(江戸川区南小岩7)で「気づき合い、支え合い、共に歩む社会へ」をテーマにした活動報告会を区内で初めて開いた。

「気づき合い、支え合い、共に歩む社会へ」をテーマにした活動報告会

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 同法人は代表の丘咲つぐみさんが自らの体験を元に、虐待を受けてきた全ての子どもたちが「生きてきて良かった」と思える社会をつくることを理念に掲げ、2022年に設立。相談者の年齢制限を設けず、児童養護施設に通った経験のない虐待を受けた全ての人を対象に、安心して過ごせる居場所づくりから、学びと情報の提供、調査や政策提言、広報啓発活動まで、これまでに1500人以上を支援してきた。

 法人名の「Onara(おなら)」は「感情のおなら」を意味し、心の中にため込んだ苦しさや思いをふっと吐き出す意味を込めている。毎月数回開催される「おならカフェ」では、参加者が自由に話したり、ごはんを食べたり、本を読んだりしながら、共通する経験を持つ仲間と穏やかな時間を過ごすことができるようにする。

 当日は、生活保護の申請同行、DV支援措置の手続き、障害年金申請のサポートなどの実績報告に加え、ワークショップも実施。参加者からは「理想と現実のギャップに悩んでいたが、行動を続ける勇気をもらった」「話を聞くだけでなく、自分も誰かの支えになりたいと思った」などの声が聞かれた。

 「虐待を受けた人が『弱いから苦しむ』のではない。ケアされなかったトラウマが人生を縛り続けてしまう。その現実を皆さんと共に変えていきたい」と話す丘咲さんは、自身も含めた「ACEサバイバー」のドキュメンタリー映画製作を企画。現在、クラウドファンディングで資金を募っている。撮影は主に江戸川区内で行い、2027年11月公開予定。

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