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メルボルン在住作家が写真と音の展示「REFUGE」 東小岩の酒蔵で

オーストラリア・メルボルン在住のアーティストRichard Byers(リチャード・バイヤーズ)さん 

オーストラリア・メルボルン在住のアーティストRichard Byers(リチャード・バイヤーズ)さん 

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 オーストラリア・メルボルン在住のアーティストRichard Byers(リチャード・バイヤーズ)さんによる写真と音の作品展「守られた場所/REFUGE」が、山田や酒店(江戸川区東小岩5)併設の築91年の酒蔵「The East End Gallery」で1月10日に始まった。

Richard Byersさんによる展示「REFUGE」

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 リチャードさんは、1974(昭和49)年にオーストラリア・メルボルンで生まれた。幼少期から絵を描き、他者の視線の向こうにあるもの、日常や静寂、言葉にされないもの、あるいは無視されるものに心を寄せ、日常の瞬間を大切に活動している。これまでアート、デザイン、写真、音と光のプロジェクションを制作し、2009(平成21) 年以降、ベルリン、東京、石巻、鹿児島、シドニーで断続的に展示を行ってきた。

 REFUGEは、あらゆるものからの攻撃、身体的攻撃、精神的虐待、信念、思想、天候などから「守られる場所」をテーマに、リチャードさんが訪れた日本の風景、オーストラリアの風景を写真として展示。自作の音楽を収録したスピーカーを、レザーや筒の入れ物に格納し、来場者はその音を手で抱えながら鑑賞する。

 作品数は約12点。南オーストラリア州カンガルー島で撮影した「Prospect(期待)」は、洞窟の先に午後の日が差し込み、霧が舞う波が美しい海が印象的な作品。鹿児島県財部町にある、溝の口洞穴に見える鳥居が神秘的な「Absence of sound(音の不在)」と、西オーストラリアにあるアボリジニの聖地、ウェーブロックの自然風景「Weathered(風化した)」は、異なる地でありながら共通のテーマを鑑賞者に投げかける。静寂さや、光と影のコントラスト、地形が生み出した天候から退避できる場所の様子は、リチャードさん自身が感じていた「精神的に守られる場所が欲しい」という思いや、「不安定な世界情勢下で暮らす人々にとって、平穏に守られる場所があればいい」という願いも込めている。

 このほか、来日して東京に来た際、リチャードさんが「ほっと安心できる居場所として大切にしている」と話す「ギャラリーエフ浅草」(台東区)の写真や、2011(平成23)年10月に戸倉村で撮影した、子どもたちを津波から守った音楽室の写真、メルボルンの動植物保護区の写真など、あらゆる「守られた場所」の作品を並べる。「砂浜の波の動きと小石の対比で、戦争や理不尽への抵抗や忍耐を表現した」という写真も。

 リチャードさんは「蔵の目的は、そこに保管されているものを守ることだが、日々の生活や生命を脅かす出来事から心を慰め、現状を振り返り、立ち直る場所でもある。音は、精神的・感情的に避難できる場所にもなり得る。異なった時期、場所で撮影した写真でも、共通の『守られた場所』を鑑賞者に感じてもらえたら」と鑑賞を呼びかける。

 営業時間は13時~21時(金曜・土曜は22時まで)。木曜定休。入場無料。2月8日まで。

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