
医療法人社団「しろひげファミリー・しろひげ在宅診療所」(江戸川区東瑞江3)が10月1日、多機能型事業所(B型作業所・就労移行支援)を兼ね備えたレトロカフェ「ひげぞーおもいでファクトリー」をオープンした。
同施設は、障害がある人々の「働きたい」「挑戦したい」という自発的な思いをサポートする就労継続支援B型事業所・就労移行支援事業所。アーチ型の屋根が特徴的な3階建ての1階部分はクラシカルでレトロな空間のカフェ。看板メニューの「つぼやきいも」は、千葉県産の熟成紅はるかとシルクスイートの2種類を、数時間かけて調理したもの。
同診療所メンバーと就労スタッフが勉強を重ねて開発した自家焙煎(ばいせん)コーヒーも提供する。ケニア・エチオピア・コロンビアのコーヒー豆を独自にブレンドした「ケニアブレンド」のほか、複数の種類のコーヒーを用意する。カフェで就労する女性スタッフは「ドリップコーヒーは浸漬式という、昔の純喫茶が紅茶をいれる手法を取り入れた。4分かけてうまみを抽出し、香り豊かなコーヒーを提供できるよう研究した」と話す。
2階は新川沿いの桜並木が見えるバルコニーを備え、カフェで提供する品のラッピングやラベル貼りなどの作業所。3階は大きな窓が開放的な空間を設け、就労移行支援事業所の作業室で、PCなどのデスクワークなどに取り組めるようにした。
同診療所広報部の山本さんは「障害を抱えている方が『働きたい』と一歩踏み出したときの相談を、カフェや併設の相談室でできるように体制を整えている。チャレンジしてみたいという思いを応援できる就労制度を作っているので、気軽に相談に来てもらえる場になれば」と期待を込める。
院長の山中光茂さんは「気持ちに障がいがある方々が楽しく働けて、働く体験もしっかりとできる。そして、地域の方々からも受け入れてもらえる施設を目指していく」と話す。
営業時間は10時~15時。土曜・日曜・祝日定休。就労移行支援事業所の定員は10人で、利用期間は2年。