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江戸川区発の超小型人工衛星「ハモるん」、ミッション終え無事大気圏再突入

放出日、JAXAにGO/NO GOコールに行った時の写真(写真提供=リーマンサットスペーシズ)

放出日、JAXAにGO/NO GOコールに行った時の写真(写真提供=リーマンサットスペーシズ)

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  一般社団法人「リーマンサットスペーシズ」(江戸川区西一之江4)が昨年8月に打ち上げた超小型人工衛星「RSP-03(通称「ハモるん」)」が2月16日、151日間にわたるミッションを終え、無事に大気圏に再突入した。同衛星は同法人が推進する民間宇宙開発「リーマンサット・プロジェクト」の3号機となる人工衛星で、国際宇宙ステーション(ISS)補給船「SpX-33」から打ち上げられた。

超小型人工衛星「RSP-03(通称「ハモるん」)」

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 リーマンサット・プロジェクトは「趣味としての宇宙開発」を掲げ、宇宙開発に関わった経験のない社会人らが本業の合間に活動しているチーム。人工衛星開発や広報を通じ、「誰もが参加できる宇宙開発の実現」を目標としている。

 今回打ち上げた超小型人工衛星「RSP-03」は、2025年8月24日に打ち上げ、9月19日のISSの「きぼう」日本実験棟からの放出以降、通信が不安定な状態ながらも各ミッションを実行してきた。主な任務として、宇宙空間で取得した星空データや周囲環境情報を基にAIが自動作曲し、その楽曲を地上に送信することで、公式サイトで音源を公開している。

 ミッション系作曲担当のSさんは「『宇宙の音』と聞けば、電子的なサウンドを想像されるかもしれないが、私は、宇宙から届く音楽は、生楽器の旋律であってほしいと願った。星座や衛星のデータを音楽へと昇華する方法は、当初まったくの手探りだった。しかし多くの方々の支えで楽曲をダウンリンクするという挑戦を、無事に終えることができた。宇宙から届いたその響きをお聴きいただけたらうれしい」と振り返る。

 同プロジェクトでは、毎回手書きの願い事を宇宙に届ける「宇宙ポスト」を実施。今回は5万1689通の願い事が寄せられ、これらを撮影したデータを衛星に搭載。地球を周回し、大気圏に再突入する際に流れ星となった。

 ミッション系ソフトウェア担当Kさんは「通信系が想定通り動作しないなど、運用の過程では多くの困難に直面した。運用中は常に『ミッション系は宇宙空間で本当に動作するのか』という周囲からの期待とプレッシャーを感じていたが、最終的に開発担当したミッション系ソフトがほぼ設計通りに動作し、宇宙から音声を届けられたことは、エンジニアとして大きな達成感につながった。「ソフトウェアを宇宙で動かし続けることの難しさと面白さを、身をもって学んだ」と話す。

 通信・地上局系担当者Sさんは「9月19日の放出から151日間、あっという間だった。不具合が発生してしまったため当初予定よりも電波が弱く、運用は苦労したがメンバーの創意工夫で放出直後の状態からは考えられないくらい素晴らしい運用成果を上げることできた」、同担当Yさんは「再突入まで通信状況は改善しない状況下だったが、世界中の人々の応援や協力をいただき、持てる手段を最大限駆使する事でミッション達成に至る事ができた。ベストシナリオとはならなかったが、手足が縛られた状況下だからこそ、日々検討が行われ、高い熱量で運用する事ができたと思う」とそれぞれ話す。

 通信・地上局担当者Tさんは「151日間に渡る怒涛の運用期間が終了した。最初から最後まで苦難や試行錯誤の連続だったが思い返すとそれが楽しいだった。放出直後はダウンリンク信号が全く捕捉できず絶望的な状況からのスタートだったが、運用を継続するうちに微弱なビーコン信号の発見に至り、それからアップリンクの疎通にも成功。リーマンサットでは初となる無線本免許状を取得した。その後はデジトーカ送信、SSTV送信、作曲処理・写真撮影といったミッションコマンド実行を次々とクリア。ただどうしても信号強度自体を回復させることはできず、明瞭なデジトーカ信号を聴くことやデータパケットの復号は叶わずにいた。そんな時に、強力なパラボラアンテナを持つオランダの『Dwingeloo電波天文台』が受信に協力して下さり、連携プレイで遂に明瞭なデジトーカを聴くことに成功した。続いて作曲したMIDIファイルと撮影した写真サムネイルファイルのダウンロード、SSTV再生までもがとんとん拍子に実現し、ミッションは大成功した。多くの人々の支援があったからこそ達成できた成果だと心底思う、ただただ感謝しかない」と話す。

 運用チームメンバーTさんは「通信が取れない中、試行錯誤する毎日がとても楽しかった。うまくいってたらここまで楽しい日々はなかったかもしれない。日夜問わずの運用での寝不足の日々から解放されて、いまはただたださみしい。このプロジェクトで得た知見は、今後の活動への大きな財産となった」と振り返る。

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