
「浅野涼ピアノリサイタル~出会いを、ピアノでwith 365日子ども食堂『NUKUNUKU』キッズ」が3月9日、タワーホール船堀(江戸川区船堀4)大ホールで開催された。参加者は当初300人程度を予定していたが、当日は約624人がホールに足を運び盛況だった。
ショパンやリストなどのクラシックからマツケンサンバ2まで幅広く演奏
ショパンやリストなど定番のクラシック曲からポップス、ディズニーメドレーなど幅広い世代が楽しめる選曲で、曲が終わる度に大きな拍手が送られた。終盤で行われたマツケンサンバIIでは、文京区内で活動するケアマネジャーを中心とした介護スタッフらによるダンスチーム「bunkyoブギウギ」もステージに加わり、参加者に手拍子を求め、会場全体で盛り上がる様子が見られた。
同リサイタルでは、365日子ども食堂「NUKUNUKU」(江戸川区鹿骨2)の児童らが職業体験として参加し、受付やチケットもぎりスタッフを務めた。児童らにとって、ピアノの生演奏が聴ける貴重な機会であると同時に、職業体験を通して「体験の格差」を解消することを目的とした取り組み。
浅野さんは、江戸川区で医師として在宅診療や緩和医療に携わりながら、病院や高齢者福祉施設、障害者支援施設、子ども食堂、支援学校などでの訪問演奏会を精力的に行っており、これまで延べ約2000人の前で演奏してきた。
リサイタルには高齢者施設や障害者施設、子ども食堂の利用者など、地域のさまざまな施設の人々を招待し、ホール入り口では障害者施設で作られているポップコーン、コーヒーなどを販売した。
浅野さんは「今回のピアノリサイタルは、健常者も障害を持っている方も同じように音楽を楽しめる場を作りたいと思ったのがきっかけ。過去にさまざまなイベントでピアノ演奏をした際、医師としては出会えなかった多くの人々と出会えた。今後は、より地域に根付いた活動をしていきたい」と話す。