かるたを通して江戸川区に愛着を持ってもらおうと「えどがわ結社かるた部」(江戸川総合人生大学卒業生)が、区内の文化や歴史などをまとめた「江戸川かるた」を制作し、1月18日、甲和郷(江戸川区南小岩2)で体験会を開いた。木造造りの古民家に約20人が集まった。
社会貢献を志す区民の学びと実践の場として区が設立した「江戸川総合人生大学」の江戸川まちづくり学科を卒業した7人から成る「えどがわ結社かるた部」。卒業研究をきっかけに、代表である山口久惠さんの「区の魅力を詰め込んだかるたを作りたい」という思いに賛同した仲間で設立した。同学科で2年かけて学んだ地域の魅力や文化に関する知識を生かし、2024年4月からかるた作りに挑戦。メンバーが実際に足を運び、集めた100以上の題材の中から44句を選んだ。誤りがないか、全域を網羅できているかなどを要件に選定したため、題材選びは特に苦労したという。
施設への使用承諾や肖像権の確認など、半年以上かけて取り組んできた同かるたが2024年12月に完成。区内の名所や伝統、文化、歴史、自然、面白ネタなどをテーマに10セットを制作。区内の施設やイベントの場で、同団体メンバーが説明を行いながら広く活用していく方針で、販売予定はない。
日本一の多差路と言われ、11もの道路が交差する菅原橋交差点を紹介する「あっちかな 迷ってあたふた 十一差路」、江戸時代末期から続く伝統行事・雷の大般若を紹介する「厄払う 女装姿の 若い衆」など、区の魅力を楽しみながら再発見できるよう工夫する。気になった句を歩いて回ってもらえるようにと、かるたに描かれた場所を落とし込んだ地図も併せて制作した。
山口さんは「別のイベントで『甲和郷』を訪問した際に、何てすてきな建物なのだろうと思った。かるた体験会をここで開きたいという思いが実現してうれしい。今後も定期的に体験会を開き、経験とともに工夫をしていけたら」と話す。「幼い子どもたちには、まだ難しいかなと思っていたが、ゲーム感覚で楽しんでもらえているようで安心した。かるたをきっかけに、区内の魅力を知ってもらえたら」とも。