特集

江戸川をつくる人 第4回 昭和創業玩具問屋「ホームラントーイ」会長・本城忠男さん
~玩具問屋がAIデビュー 世代を超えてつながる玩具づくり~

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 昨今、玩具市場を取り巻く経済環境はめまぐるしい変化を続けている。

  

 江戸川区春江町2丁目で1984(昭和59)年に創業し、カラフルな輪が印象的なプラチェーンの「チエンリング」や「マーブルおはじき小判」を取り扱う玩具問屋「ホームラントーイ」は2025年7月、地域の人々との交流や商品の認知向上を目的に、AIツールを活用した取り組みを始めた。同ツールは、京葉十二広告社が運営する地域情報サイト「まいぷれ江戸川区」のAIツ-ルで、母体となる「まいぷれ」が全国で展開している。ホームラントーイは同ツールをきっかけに、7月27日、しのざき文化プラザ(江戸川区篠崎町7)で開かれた「しのプラ市」に、創業後初となるブース出店をした。

(左=会長の本城忠男さん 中央=社長の本城忠義さん 右=社長妹の葉山恵美さん)

  同社は、台東区蔵前でプラスチック玩具製造・販売従事していた日本ブラスチック玩具工業協同組合会員の本城忠男さんが、1984(昭和59)年に春江町に開業した。以来、埼玉県や群馬県の工場に委託を行い、プラスチック知育玩具の開発・製造・問屋業を運営している。

  「昭和から販売している自社のプラスチック玩具を、現代社会でどう情報発信をしていけばいいか分からない」-会長の忠男さんがそんな悩みを「まいぷれ江戸川区」に伝えたことから企画は始まった。町の玩具問屋がAIを活用し、世代を超えてつながる玩具作りを発信していくプロジェクトについて、同社の社員とまいぷれ江戸川区編集長・畑崎英美さんに話を聞いた。

 -まいぷれ江戸川区では「まいぷれくん」というツールを活用中とのことですが、具体的にどういったAIツールなのでしょうか?

 まいぷれ畑崎さん「地域の商店や教室、企業が自分たちの商品やこだわりを伝えたり、イベントやマルシェに出店したりする際に、何をどう発信したらいいか分からないという悩みを持つことは多いです。そうしたときに、商品やイベント用の画像や情報をこのツールに入れ込むだけで、自動的に情報発信の文章が作成できる仕組みになっています。インスタグラムやグーグルビジネスにも連携反映されます」

 -自社の商品を、どう周知していくか、外部に委託するとコストもかかるし…という悩みをお持ちの方はたくさんいらっしゃるような気がします。

 畑崎さん「そうですね。そうした方々のために、まいぷれの広告枠への掲載とともにこのツ-ルを活用できるよう提案しています。私たちは地域の情報媒体ですので、地域の商店や教室、企業さんたちのことを支援したり、つなげたり、盛り上げていきたいという気持ちを持っています。今回もホームラントーイさんから相談を頂いたとき、そんな気持ちで『まいぷれくん』を紹介させていただきました」

 -実際にこのツ-ルを使って良かったと感じる点はありますか?

ホ-ムラント-イの葉山恵美さん「どう玩具を広めていけばいいか分からなかった私たちにとって、まいぷれさんの提案は本当にありがたいものでした。このツールをきっかけに、初めてインスタグラムのアカウントも作りました。まいぷれさんとの企画を載せたら、開設当初は数十だった閲覧数が1000台まで増えたこともびっくりしています」

 -それは効果を実感する数字ですね。目に見えて認知されていく様子がわかることはやりがいにもつながりますよね。

 -葉山さん「そうですね。初めての取り組みですが、さらに地域の方々との交流も図りたいと思っているので、今回『しのプラ市』にも参加することにしました。

 -今、インタビューをさせていただいている間にも、実に多くの親子連れや大人の方が足を止めて購入したり、プラチェーンつなぎに参加したりしていますよね。

 -葉山さん「創業以来の取り組みで、どうなるか試行錯誤でしたが、ポスター作成から当日まではスム-ズにできてびっくりしました。実際にさまざまな方に立ち寄っていただき、商品を手に取っていただいていることもうれしいです」

 -畑崎さん「ホームラントーイさんは、とても魅力的な商品を取り扱っているのですが、これまで情報発信をしていないので、魅力が伝わっていないのでは…。そこで、AIを活用することで簡単に効果的に広めていけたらと提案しました。イベントで、多くの方に関心を寄せていただいている様子が見られてうれしいです。『まいぷれくん』をきっかけに、世代を超えてつながる玩具づくりが地域に浸透していけば。昭和の玩具づくりが令和を生きる子どもたちの笑顔を生み出してくれたら、こんなにうれしいことはありません。今後、私たちが催す別イベントにも出店してもらえたらと考えています」

 -まさに、3世代で買っていく方々、プラチェーンつなぎに参加していらっしゃる方が多く見られますね。玩具問屋がブースを出すことは、訪れる人が五感で商品を知ることができる素晴らしい取り組みですね。

  

 同社の本城忠義社長は「今回、初めてのイベント出店となったが、AIを活用していくことでこんなにスムーズに準備ができることが分かり、画期的だと感じている。今後も、こうした地域交流も含めたイベント出店や楽しいことを続けていけたら」と話す。

ホームラントーイ〇●江戸川区春江町2丁目37-8  ホームラントーイ

 

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