
江戸川区は「asken(アスケン)」(新宿区)と提携し、妊娠中の栄養・体重管理をサポートするため、AI食事管理アプリ「あすけん」の有料コース「あすママコース」を区内在住の妊婦とそのパートナーに対し、8月1日から無償提供している。期間は妊婦が180日間、パートナーは30日間。
同アプリは、管理栄養士監修のアドバイスの下、妊婦の食事内容や栄養素の過不足をAIが分析。妊娠期に不足しがちな栄養素の摂取改善や体重管理をサポートする。この取り組みにかかる費用は全額区が負担する。
同区が2021年度に実施した「食育食生活調査」では、若年女性の約6人に1人が「やせ」(BMI18.5未満)に該当し、妊娠期においても葉酸、鉄、ビタミンB1などの栄養素が9割以上で不足していることが判明した。これにより、従来の食事診断教室による支援では対応しきれない現状を踏まえ、より実用的な支援手段としてアプリ導入に至った。
従来の食事診断は教室への来所が必要で、妊娠届出者への実施率は7.8%にとどまっていた。紙媒体での記入と郵送による診断結果のやり取りには時間がかかり、タイムリーな栄養改善につながりにくい課題もあった。
同区健康部健康サービス課の菊池佳子さんは「妊娠中の食生活は、お母さん自身と生まれてくる赤ちゃんの健康に直結する極めて重要なもの。今回、『あすママコース』を導入することで、区民がスマートフォン一つで、いつでもどこでも、管理栄養士監修の食事や栄養に関するアドバイスを無料で受けられるようになる。このアプリが食生活を見直すきっかけになり、健康的な妊娠期間を支えるツールとして活用されることを期待している」と話す。
利用期間終了後は自動的に「あすけん」の無料サービスに移行する。