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築90年の蔵で酒と文字をたしなむ個展「酒と文字」 展示や体験も

左=「山本文字堂」こと山本香さん 右=小岩下町情報発信アカウント「KOIWA BASE」山本さん

左=「山本文字堂」こと山本香さん 右=小岩下町情報発信アカウント「KOIWA BASE」山本さん

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 創業90年の「山田や酒店」(江戸川区東小岩5)にある木造蔵を改築した「The East End Gallery」で現在、書家「山本文字堂」(山本香)さんの個展「酒と文字」が開催されている。「小岩コンテンツプロジェクト」を中心に地域活性化の取り組みを行っているフォーナ(東小岩5)が企画した。

1月3日に行われた書き初め大会での書道パフォーマンス

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 同展は、小岩からカルチャー発信を行う「KOIWARTプロジェクト」の第2弾。今回は小岩地域の情報発信インスタグラムアカウント「KOIWA BASE(コイワベース)」のとコラボ企画。

 山本さんと「KOIWA BASE」は「『酒は百薬の長』という言葉にある通り、酒のおかげで普段口下手な人が少しおしゃべりになれたり、ストレスを抱える現代社会において頑張る力になったりする。文字も似ていて、額に入れられた文字を見て少しうれしくなったり、励まされたり、誰かを思ったりと私たちの心を癒やしてくれる力があるのでは」と、同展示への思いを込める。

 山本さんは1963(38年)年に大阪で生まれ、雪心会(せっしんかい)・深尾月泉(げっせん)さんに師事した。美大卒業後、中学校美術教諭を経て広告代理店に勤務し、デザインの現場から書き文字を提案。1995(平成7)年にフリー活動を始め、田宮規雄さんの著書の命名書に参加し、美しく見える文字の命名書を紹介するなどの活動を行っている。

 今回の展示について、山本さんは「作品の一つが『母という字に見える』と涙ぐんだ人がいたのがとても印象に残っている。自分の書いた作品が、見る人によってさまざまな異なる解釈を生み、話し合う様子が見られたことが新鮮な体験だった。対面販売は初めての経験。非常に貴重で、新しい発見がある」と話す。

 「最終日には、すぐ近くの小岩区民館(東小岩6)で命名書を作るワークショップを開く。併せて、ギャラリーでは『体験name』と銘打つ書道体験も行う。久しぶりに筆を持つ人にも、そうでない人にも色紙に一発勝負で書いてもらうもの。手書きで文字を書く機会が減っているという声が聞かれる現代だが、体験を機に筆を手に取る機会が増えていけば」とも。

 営業時間は13時~21時(金曜・土曜は22時まで)。1月12日まで。

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