自転車店「オグラ輪業」(江戸川区平井5)が、バングラデシュの大手自転車メーカー「MEGHNA GROUP(メグナグループ)」とロードバイクを共同開発し、11月17日、クラウドファンディングで先行販売を始める。
開発したバイクの名は「Nodi(ノディ)」。バングラデシュは欧州市場向けに年間80万台以上を輸出する自転車輸出大国で、輸出額は中国に次ぎ世界4位。同社代表の小倉宏太さんは同国の工場を自ら訪問。「外観の美しさや機能性、製造品質、安全性に魅了された」ことをきっかけに、現地メーカーとともに約1年をかけて共同開発を行い、ノディが誕生した。
ノディは、毎日の通勤や通学など日本の道路環境に合うエントリーモデルのグラベルロードバイクとして位置づける。重量は約11キロで軽さを実現し、前傾姿勢になりすぎないようハンドル位置をスポーツタイプより4センチ高く調整。駐輪時の転倒や車体損傷を避けるためスタンドを標準装備した。
細い路地でも小回りが利くようステム幅を短くし、タイヤはやや太めの32ミリを採用することで、舗装の荒れた道でも安定して走れる仕様とする。変速機にはSHIMANO「Claris」(8段変速)を搭載し、「入門向けながら本格的な走行感が得られるのも特徴」だという。メグナグループの自社工場ではフレーム耐久試験や荷重試験など十数項目にわたる検査を行い、日本到着後にはオグラ輪業が車体の状態を再点検する「ダブル検査体制」を取る。
購入者には、自転車の組み立て・点検・修理・盗難保証をまとめた「Cycle One(サイクルワン)」の初年度無料特典を付ける。保証は全国の自転車店で利用でき、パンク修理やチェーン交換など日常的なメンテナンスも対象となる。
小倉さんは「毎日使うには高価すぎる、または安価すぎて品質が不安という声に応え、ちょうど良いロードバイクを届けたい気持ちで開発した。欧州でも人気のスタイリッシュな見た目と、日常使いに合う日本仕様を兼ね備えたノディは、価格以上の走りを実感してもらえる自転車。街なかで多くの人に試してほしい」と話す。
バングラデシュ人民共和国大使館のムハメド・ダウド・アリ大使は「自転車は環境に優しく生活を豊かにする存在。今回の取り組みを通じて日本とバングラデシュの友好が一層深まり、持続可能な未来につながれば」と期待を込める。